スタイリストに服を選んでもらう時の不安をお持ちの方へ

パーソナルスタイリストに依頼するかどうか迷っている理由の１つに、押し付けて買わされるのでは？と思っている人もいるのではないでしょうか？
安いサービスではありませんので、そういった心配は非常によくわかります。その点については特に注意を払いサービスをご提供するようにしています。

先日いらしていただいた30代半ばの婚活中のお客様は、ずっと履いたことがないスカートを履いてみたいというご希望を持っていらしてくださいました。
履いてみたいとは言ってもスカートを履くのは恥ずかしいし、かといって拒否しているわけでもなく克服したいという感じです。

履きたいけどはずかしい。そんなお客様の心の葛藤を、１枚のスカートを選ばせていただくことで解決するわけです。

心の葛藤をほぐしていくには、何より時間とコミュニケーション、そして試着を繰り返したときにお客様から発するOKサインを見逃さないことが大切です。

カウンセリング当日、お客様は素敵なグリーンのコートを着ていらっしゃいました。お母さまから譲り受けたというコートは、シンプルですが手の込んだ作りのコートでした。すぐに大切なコートだとわかり、私はまずコートについて色々伺うことにしました。グリーンの色合いが気に入っていること、ずっと大切に着ていること、このコートを着ると外出したくなることなど。１つ１つに愛着を持って、丁寧に使っている方でした。普段着ていらっしゃるたった1つの服に、ここまで深掘りして伺うことは少ないのですが、コートのエピソードを通してお客様の人柄や感性を垣間見ることができました。

このカウンセリングを通してどんなスカートをお勧めしたらよいか、私がたどり着いた考えはお客様が着慣れている紺やグレーのベーシックカラーで挑戦してもらおうということでした。ただでさえ抵抗のあるスカートですから、せめて色はお客様の慣れているものがよいと思ったのです。

ショッピング当日、最初に試着していただいのは紺のフレアスカートでした。その時は迷いや不安な表情でそのスカートを見ていらっしゃいました。
お似合いだからお勧めしたわけですが、お客様に迷いがある以上無理にお勧めすることはありません。すぐに切り替えて、形を変えたり、色の濃さを微妙に変えながら試着していただき、どこが気になるのかを１つずつ伺いながらご希望にすり合わせていきます。もちろん不可能なご要望もあるので、それは説明をして理解していただきます。

試着を繰り返していくうちに、お客様から「これなら履いてみたい」と言っていただく瞬間があります。この時は、なんと一番最初にお勧めした紺のフレアスカートでした。

おそらくいろんなスカートを試着するうちに、今まで「自分にはスカートは無理」というフィルターが外れ、冷静に自分が見えたのだと思います。この状態を作り出すために試着を繰り返したといっても言い過ぎではありませんし、単に洋服を選ぶだけがパーソナルスタイリストの仕事ではないと私は考えています。

決して無理やりお勧めしているわけではなく、誘導しているわけでもありません。お客様の声にならないご要望を服を通して形にするのがスタイルクラブの考え方です。

押し付けでは結局後から着なくなってしまいますし、だからこそ慎重に・適格に・お客様の気持ちを最優先でショッピングは進みます。
お客様によって悩みは違いますし、決断のスピードも違いますが、お客様の満足度を第一に洋服を選ばせていただいております。

もし押し付けられそうと気になっているようでしたら、お気軽にご質問だけでもどうぞ。

今日もブログにいらしていただきありがとうございます。